この日本語は日本人同士なら難なく伝わるが、英語に直訳しても、このままで理解できるアメリカ人はほとんどいない。
それはなぜか。問題は2点ある。
1点目。「このラーメンは」を「このラーメンは量が多すぎて」に変更する。理由を述べないと、英語では文の筋が通らない。「このラーメンは魔法のラーメンだから」とも受け取られかねない。
2点目。「減らない」を「食べきれない」等に変更する。アメリカ人は、「たとえ少しでも食べれば減るに決まっている」と考えるのが普通。「食べても食べても減らない」では、これまた魔法のラーメンとなってしまう。
この2点を考慮して、どう表現したらよいか。日本語を次のように変更してみる。
このラーメンは量が多すぎて、食べても食べても食べきれない。
英語に直訳すると、こうだ。
This ramen is too much, so no matter how much I eat, I can’t finish it.
ところが、これでもまだいくつか問題がある。
1点目。「too much」では前回も述べたように、「ひどすぎる」という別の意味にも受け取られかねないので、避けたほうが無難。「too much ramen」の名詞止めに変更する。
2点目。「can’t finish」は単なる本人の思い込みであり、実際には少しずつ減っているのは明らか。したがって、「can’t seem to finish」として、「減らないようにみえる」に変更する。
3点目。接続詞の「so」は「so that」構文を適用すると文が簡潔になる。
これらをまとめると、全体は次のようになる。
This is so much ramen that no matter how much I eat, I can’t seem to finish it.
英語は多民族が使用する言語なので、すべてを細かく説明しないと意味が伝わらないので要注意。
※完成文は複数の英語ネイティブのアメリカ人に確認済み。ちなみに、アメリカ人でも英語ネイティブでないアメリカ人もいるので、確認の際には要注意。