転ぶといけないから、走らないほうがいいよ。

まずは直訳してみる。

✖ It’s not good if you fall, so you had better not run.

これは逆翻訳してみると、「転ぶとよくないから、走ったら承知しないからね」とおかしな日本語になる。

つまり、文章の前半も後半もなんとなくおかしい。

とくに後半の「had better」は学校英語では「~したほうがいい」と習うのであるが、実際のニュアンスはどうかというと、「~しないと承知しないからね」というくらいの命令口調なのである。

あと、「転ぶといけないから」は、「転ぶかもしれないから」という表現に置き換える。

そこで次のように変えてみる。

〇 You might as well not run because you might fall.

逆翻訳すると、「転ぶかもしれないから、走らないほうがいいよ」となる。まあまあの合格点だ。アメリカ人に聞いても、「それでいいんじゃない」となる。

ちなみに、下記の表現でもよい。

〇 You shouldn’t run because you might fall.

「転ぶかもしれないから、走るべきじゃないね」といった感じだ。

ところが、実際にアメリカ人が使っている表現はどうかというと、次の通りだ。

◎ You don’t want to run because you might fall.

「転ぶかもしれないから、走りたくないよね」である。おかしな日本語だ。

ところが、これがまさに日本語のニュアンスとしては、「転ぶといけないから、走らないほうがいいよ」となるのである。

これにて一件落着!