こんどの「せっかく」は、「せっかく~したのに」というネガティブな悔しさの表現ではない。「せっかく」のもう一つの意味である「せっかく~したのだから」というポジティブな意味合いだ。
和食レストラン等に来て、「せっかくだから刺身も食べていこう」といったような会話だ。
「刺身も食べていこう」というフレーズだけなら簡単だ。次のような表現となる。
Let’s have sashimi as well.
ここに、「せっかく来たのだから」というようなニュアンスを滲ませたい。
普通は次のように訳す。
We came all the way here, so let’s have sashimi as well.
日本語にするとこうだ。
ここまで遥々来たのだから、刺身も食べよう。
これでも通じなくはないが、「せっかくだから」という日本語のニュアンスにいまいち欠ける。
そこで、多くのアメリカ人に聞いてみた。答えはこうだ。
Let’s make the most of it and have sashimi as well.
日本語に直訳すると、次のようになる。
このチャンスを最大限に活かすため、刺身も食べよう。
つまり、「せっかくだから刺身も食べていこう」というニュアンスになる。
なお、英語には残念ながら「食べよう」と「食べていこう」の違いはない。
これにて一件落着。